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最後の適齢期20 君ってストライクゾーンが広いんだね

婚約者「ついでに言ってしまうけど、君は僕よりも公務員って肩書きに執着があるようだし、思い違いかもしれないけど、前の男を忘れるために、無理やり恋に恋してるって気がしてならないんだけど、違う?」

  千秋、婚約者を見つめたまま無言。

婚約者「この前デパートで会った中年の人と付きあってたんだろ?君ってストライクゾーンが広いんだね」

  千秋、驚く。

婚約者「しきりに僕の事を観察してるみたいだけど、僕も君の事はよくみているんだよ。さすが年の功というか、立派な人だと思ったよ。あの現場をみたら取り乱して、事によっては事件にもなりかねなかったのに、よく自制したと本当に感心した。君の人生を壊したくなかったんだろうね」

  千秋、つっと涙を流す。

婚約者「あまりにも生々しすぎたよ。君の体のすみずみまで知りつくした相手と出会うってのは・・・」

  重苦しい沈黙が続く。

婚約者「下世話な質問だけど、何年つきあってたか教えてくれるかな」

千秋「(開き直って)十年」

婚約者「えっ、ってことは二十歳のときにあんなおじさんと?」

千秋「ついでに何人とつきあったか教えてあげましょうか、あの人の前にも八人。貴方をいれたら十人になるわ」

  婚約者、がくぜんとする。  
  婚約者、服を着ながらベッドの千秋に、

婚約者「もうここにいる理由がなくなったから出ようか」

千秋「一人で帰るから、どうぞ先に帰っ

婚約者「そうもいかないよ。歩いて出て顔でも見られたら、島中にあっというまにうわさが広がってしまうだろ」

千秋「お願い、しばらくしたら一人で帰るから好きにさせて」

婚約者「・・・そんなに言うのなら」

  婚約者、半開きのドアの前で、

婚約者「じゃ、元気で」

  ドアが閉まる。
  千秋、ばっと布団を被って顔を隠す。
  むせび泣きが漏れ、布団が揺れる。
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プロフィール

dream50

Author:dream50
悲劇は嫌い。ハッピーエンドが好きです。これからフジテレビヤングシナリオ大賞に応募して落選したシナリオを少しずつアップしていきますが、みなさんはどう感じられるでしょうか・・・・


「最後の適齢期」

 あらすじ

派遣社員の神屋修三(55)は、二十五歳年下の千秋(30)と付き合って十年になるが、ある日不安が鬱積していた彼女と喧嘩になり、怒った神屋は三ヶ月間連絡をとらなかった。

三ヵ月後に再会すると、彼女は仕事を辞め島に帰る決心をしていた。喧嘩が原因で内在化していた強迫性障害と鬱が悪化し仕事を続けられなくなったのだ。

そればかりか、島では見合いの話しがもちあがっており、驚いた神屋は別れたくないと懇願したが、彼女は再会を約束し、島に帰ってしまう。

半月後に再会するが、安定した生活を望んでいた千秋は公務員の見合い相手に心をひかれ、以後会うことを拒んだが、神屋は強引に再会を約束させる。

後日、突然仕事を解雇されて打ちひしがれた神屋は千秋に助けを求めるが、見合い相手にプロポーズされたからと神屋を冷たく突き放す。


登場人物

神屋修三(55)
千秋(30)
志保(28)
久美子(30)
久美子の妹(25)
千秋の婚約者(33)
千秋の母親(55)
工場の上司A(50)
映画会社の重役
A(40)
B(50)
C(55)

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