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○ハローワークの外観

  神屋がハローワークから暗い表情で出てきた直後に携帯が鳴る。
  神屋、番号を見て携帯を耳にあてる。

●電話の声
『もしもし、神屋さんでしょうか?』

神屋「そうですが」

 『この度はシナリオを御応募頂き有難うございました。まだ正式発表まで間がありますが、大賞に決まった事をお知らせするために電話をしました』
 
神屋「えーっ」

  神屋の大声に通行人が驚いて振り向く。

 『テーマ的にタイミングを逃せない作品なのですぐに製作に取りかかりたいのですが、早急に契約を、もしもし、もしもし・・・』

 神屋、ぼうぜん。





○映画会社の会議室内

  室内には映画会社の男三人A(40)、B(50)、C(55)と神屋が向かい合って座っている。

A 「(契約書を差出し)契約内容は今お話した通りなので、ここに署名をしていただけますか」

  神屋、契約書をみつめたまま無言。

A 「契約書になにか不備な点でも?」

神屋「必ず大ヒットさせてみせますから私に監督をやらせてもらえないでしょうか」

  A、B、C驚く。
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婚約者「ついでに言ってしまうけど、君は僕よりも公務員って肩書きに執着があるようだし、思い違いかもしれないけど、前の男を忘れるために、無理やり恋に恋してるって気がしてならないんだけど、違う?」

  千秋、婚約者を見つめたまま無言。

婚約者「この前デパートで会った中年の人と付きあってたんだろ?君ってストライクゾーンが広いんだね」

  千秋、驚く。

婚約者「しきりに僕の事を観察してるみたいだけど、僕も君の事はよくみているんだよ。さすが年の功というか、立派な人だと思ったよ。あの現場をみたら取り乱して、事によっては事件にもなりかねなかったのに、よく自制したと本当に感心した。君の人生を壊したくなかったんだろうね」

  千秋、つっと涙を流す。

婚約者「あまりにも生々しすぎたよ。君の体のすみずみまで知りつくした相手と出会うってのは・・・」

  重苦しい沈黙が続く。

婚約者「下世話な質問だけど、何年つきあってたか教えてくれるかな」

千秋「(開き直って)十年」

婚約者「えっ、ってことは二十歳のときにあんなおじさんと?」

千秋「ついでに何人とつきあったか教えてあげましょうか、あの人の前にも八人。貴方をいれたら十人になるわ」

  婚約者、がくぜんとする。  
  婚約者、服を着ながらベッドの千秋に、

婚約者「もうここにいる理由がなくなったから出ようか」

千秋「一人で帰るから、どうぞ先に帰っ

婚約者「そうもいかないよ。歩いて出て顔でも見られたら、島中にあっというまにうわさが広がってしまうだろ」

千秋「お願い、しばらくしたら一人で帰るから好きにさせて」

婚約者「・・・そんなに言うのなら」

  婚約者、半開きのドアの前で、

婚約者「じゃ、元気で」

  ドアが閉まる。
  千秋、ばっと布団を被って顔を隠す。
  むせび泣きが漏れ、布団が揺れる。
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神屋「(驚き)おおっ」

志保「(わざと明るく)会いたくてたまらないからきちゃいました」

神屋「うれしいよ。私も電話をかけようかと思ってたとこなんだ。前の彼女の友達が心配してきてくれてね、今玄関まで送ったところだったんだ」

志保「へーっ」

  志保、正直な神屋に驚くと共に安堵する。

神屋「歩いてきたの?」

志保「はい。会える嬉しさを少しでも長く味わいたくて」

神屋「胸に沁みるな。けどもう夜道の一人歩きは禁止だ。次からは私が迎えにいくからね」

志保「はーい」と神屋と腕を組む。

 志保、ドアのカギを開ける神屋に、

志保「また女の人がこないか心配だから、今夜はお泊まりしてもいいですか?」

 神屋、微笑んでキスする。





○ラブホテルの外観
同、ホテル内(千秋と婚約者が性交している。下半身は見えない)

  千秋、激しく喘いでいる。
  千秋をチラッとみた婚約者、行為の途中でそっと離れる。

  千秋、驚いて婚約者を見る。

千秋「どうしたの?」

婚約者「初めての時から思ってたんだけど、君って経験豊富なんだね」

  千秋、青ざめる。

婚約者「君をそこまで仕込んだ男の事や、抱かれて喘いでいる君を妄想したら気持ちが萎えちゃって・・・」

  千秋、がくぜんと婚約者を見つめる。

婚約者「いわなくても分かってただろうけど、経験の少ない僕は圧倒されちゃって・・・。このまま勢いで結婚しても、その事がしこりになってうまくいかないような気がしてきたんだ」

  婚約者、千秋を見つめ、

婚約者「傷が深くならない内に別れたほうが互いの将来のためにいいような気がしてきたんだ・・・」

  千秋、悲しげに自嘲する。
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神屋、脚を凝視し、久美子ににじり寄る。
  が、頭を振って思いとどまる。

久美子「まだ千秋のことを・・・」

神屋「千秋も最初はオジサンへの興味で始まったんだろうけど、結局は十年もぼうにふらせてしまった。もしまた そんなことになったら、君の新しい出会いを潰してしまうことになるだろ。それが恐ろしいんだ」

久美子「私に新しい彼ができるまでの、言葉は悪いですが繋ぎの関係だったら?」

神屋「無理だ。私となら続くもの」

久美子「(驚き)羞じをさらすようですが、私、今まで誰とも続いたことがないんです」

神屋「私となら続くよ」

久美子「なぜそんな事がわかるんですか?」

神屋「私は君のいい所を探せるから君もそうしてくれるだろ? だから続くんだよ」

久美子「私にいい所なんか・・・」

神屋「ある。スーパーで会った時、あんなに心配してくれたじゃないか。たまたま今までの相手が君の魅力を発見できなかっただけなんだから自分を安売りしちゃだめだ。きっといつか心から愛し合える相手と出会えるから」

久美子「(涙ぐみ)私の事をそんなに真剣に考えてくれた人は神屋さんがはじめてです、千秋が別れられなかった理由がわかりました」

神屋「(自嘲し)さ、後戻りできない関係になる前に外まで送ろうか」

久美子「私なんかとそんな可能性が?」

  神屋、うなずきながら立つ。
  玄関で二人の顔が近づく、

久美子「(哀願するように)キスだけ・・・」

  神屋、久美子をみつめ唇を近づける。
  が、思いとどまり、

神屋「さ」と久美子を外にうながす。

  嬉しそうにやってきた志保、マンションの外に出てきた二人を離れた所から目撃して驚く。
  神屋、車を運転して帰る久美子を見送る。

  志保、建物の陰から久美子が涙を拭って目の前を通り過ぎるのを視認。
  マンションに入りかけた神屋の後ろから志保が「わっ」と驚かせる。
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○夜。志保のワンルームマンションの自室

  携帯のツーショットのアップ。
  志保、ベッドにあおむけになって楽しそうに携帯の写真を眺めている。

○神屋の自室
●メールの画面
 『二日も一緒にすごせて最高に幸せでした。おやすみなさい。志保』

  神屋、メールをみて微笑んだ瞬間、チャイムが鳴る。
  ドアを開けると久美子(超ミニ)がいたので驚く。

久美子「近くに用事があったからちょっと、これ、ケーキを買ってきたんですけど」

神屋「わざわざありがとう、まっ、入って」

久美子「はい、おじゃましま~す」




○同、志保の自室

  携帯、ツーショットのアップ
  携帯の写真をながめていた志保、突然立ち上がって外出する。




○同、神屋の自室

神屋「コーヒーでいいかな?」と湯を沸かす。

久美子「あ、私がやります」

  神屋、キッチンに起つ久美子の脚を凝視。
  神屋の視線に気付いた久美子、千秋の顔と言葉を思い出してほくそえむ。

●電話で話す千秋の顔と声
『あのひと脚フェチだから、超ミニで挑発したらきっとその気になるわよ』

  二人、小さなお膳を挟んでケーキを食べている。

久美子「その後、千秋から・・・」

神屋「彼女の話しはよそう」

久美子「ごめんなさい」

神屋「この近所に知りあいが?」

久美子「え、ええ、めったに会わないんですけど」と脚を挑発的に露出する。
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プロフィール

dream50

Author:dream50
悲劇は嫌い。ハッピーエンドが好きです。これからフジテレビヤングシナリオ大賞に応募して落選したシナリオを少しずつアップしていきますが、みなさんはどう感じられるでしょうか・・・・


「最後の適齢期」

 あらすじ

派遣社員の神屋修三(55)は、二十五歳年下の千秋(30)と付き合って十年になるが、ある日不安が鬱積していた彼女と喧嘩になり、怒った神屋は三ヶ月間連絡をとらなかった。

三ヵ月後に再会すると、彼女は仕事を辞め島に帰る決心をしていた。喧嘩が原因で内在化していた強迫性障害と鬱が悪化し仕事を続けられなくなったのだ。

そればかりか、島では見合いの話しがもちあがっており、驚いた神屋は別れたくないと懇願したが、彼女は再会を約束し、島に帰ってしまう。

半月後に再会するが、安定した生活を望んでいた千秋は公務員の見合い相手に心をひかれ、以後会うことを拒んだが、神屋は強引に再会を約束させる。

後日、突然仕事を解雇されて打ちひしがれた神屋は千秋に助けを求めるが、見合い相手にプロポーズされたからと神屋を冷たく突き放す。


登場人物

神屋修三(55)
千秋(30)
志保(28)
久美子(30)
久美子の妹(25)
千秋の婚約者(33)
千秋の母親(55)
工場の上司A(50)
映画会社の重役
A(40)
B(50)
C(55)

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